ABM / ABM5400とGOTOH / GE1996Tの互換性
ロック式のフローティングブリッジを使っていると色々と悩みどころが出てくるものです。
私が使っていたのGOTOHのGE1996Tというフロイドローズの互換品。
シェクターにデフォルトで付いていたものですが、suhrのギターにも採用されているらしく、パーツの精度としては高いものと思われます。
ロック式の弱点として弦交換がめんどくさいこと、オクターブ調整、弦高調整がしづらいことがあります。
弦交換に関してですが、その他のブリッジなら弦を通してペグに巻けば良いところ、ロック式だと弦の根本のボールエンドを切ってブリッジに挟んで固定しなければならないのです。
この弊害は主に2つで、まず単純に弦交換に時間がかかってめんどくさいこと。
2つ目は出先で弦が切れた場合、弦を切れる道具がないと弦があっても交換できなくて詰むことです。
調整関係でいうと、ロック式でオクターブ調整をする場合、まずチューニングして音を確認してから弦を緩めて感覚でブリッジの位置を変えてからまたチューニングしてというサイクルをすべての弦で行わなくてはならないのです。
これがとってもストレスフルなのです。
弦高に関しては左右のスタッドの高さを変える調整しかできないので、各弦で個別に高さを調整することができません。
とまぁ多くの不満点があったロック式ブリッジ。
もちろんロック式のアーミングは他のブリッジでは真似できないものなので、気に入ってはいるのですが、いかんせん調整関係がめんどくさすぎる!
というわけで前々から変わりのブリッジと探していたのですが、この度気になっていたブリッジを試してみようと思いABM / ABM5400を導入してみることにしました。
ただこのパーツ、寸法上はポン付け出来るはずなのですが、調べても全く情報が出てこず、実際に使用しているという情報も全く見つけられなかったのでめちゃくちゃ不安でした^^
ただ、付け替えられたときのメリットが大きそうだったので人柱覚悟で注文!
本家フロイドローズも買えそうな値段だけどそこは別のメリットを期待して・・・
(※近所の楽器屋さんによればGOTOHとフロイドローズはポン付けできるとのこと)
結論から言えば、ABM / ABM5400とGOTOH / GE1996Tには互換性があり、ポン付けすることができます。
スタッドの交換も不要です。
調整に関しても始めは少し手間取ったものの、弦の伸びが安定してからは問題なく使用できています。
このブリッジの利点は3つ。
まず1つ目は弦交換の際に弦の根本を切らなくても良いこと。
このブリッジは横から弦を通せるようになっており、弦を切ってロックする必要がありません。
通した後に六角レンチを締めることで弦がロック出来る仕組みです。
下の図のCを締めることでロックします。
弦交換でオールエンドを切る、弦を挟んでロックするという作業がなくなるので交換時間を短くすることが出来ます。
2つ目は弦ごとに弦高調整が出来ること。
ABM5400では各弦ごとに弦高を調整することが出来ます。しかも、弦を張った状態のまま出来ます!
上の図の⑧の部分をレンチで回すことで上下に弦高を無段階調整することが出来ます。
指板のRがきつめのギターでアームをバリバリ使いたい場合にはピッタリの機能です。
3つ目は弦を張ったままオクターブ調整が出来ること。
上の画像の⑯のネジをドラーバーで回すことによってサドルを前後に動かし、オクターブ調整が出来るようになっています。
これがめちゃくちゃ便利!
今までだとオクターブ調整のためには弦を緩めなきゃならず、何回も緩めたり締めたりを繰り返すと弦が切れたりしたこともあったため、どうしてもオクターブ調整が億劫で、結局ピッチがずれたままになってたりしてました。
ただ、ABM5400ではネジを回すだけなので弦が切れる心配なし!チューニングしながら微調整も楽ちん!
この利点が個人的には一番良かったです。
ここで1つ、個人的には利点だったこと。
それは、音質が変化したこと。
従来GOTOH / GE1996に比べ音の輪郭がはっきりしたように感じました。
これだけだと高音がスポイルされただけの可能性もありますが、サステインが伸びたり、ハーミニクスがきれいに出るようになったりもしていたので、ピッチのあった音が大きく出ているのだと捉えています。
思いっきり歪ませたときでもコード感が感じやすくなったとも感じました。
これはブリッジの重量変化やパーツの組み上げの精度の違いによるものと思われます。
また、思いっきり歪ませたときでもコード感がわかりやすくなりました。
音の変化についてはなるべく変えたくないという方にはデメリットとなるでしょうが、自分的には好意的な変化だったのでメリットと感じています。
全体として自分的には満足の行く結果を得られたと思います。
なによりチューニングがしっかり合ったギターを弾くのは気持ちいい!!
ロック式でピッチや調整に不満がある人は一考する余地があると思います!
もしこのブリッジを導入してうまくチューニングが合わないという方用に自分がちょっと苦しんだ点と解決法をいくつか述べておきます。
①ブリッジと弦の接する点にグリスを塗る
アーミング中にパキパキ音がするなら、弦がサドルに引っかかっている可能性があります。グリスで弦が滑るようにする。
②トレモロスプリングを増やすor硬めのものに変更する
スプリングの張力が高めの方がチューニングが安定するように感じました。
ギター本体の性質かもしれないので効果は不確かです。
③下のCのネジを弦の締める
HPなどのセッティング説明ではCを締める工程が記されていなかったが、個人的にはここを締めた方がチューニングが安定した。